
|

|

|



〜暮らしを支える「つながれる社会」〜 (令和7年6月) |
あじさいのすがすがしい季節となりましたが、地域の皆さま及び関係者各位におかれましては、日頃からのご支援ご協力に心から感謝いたします。 2019年11月末、ローマ教皇フランシスコが日本を訪問されました。ハネ・パウロ2世が1981年に来日されて以来、38年ぶりのことでした。 自らの出身修道会イエズス会が設置母体である上智大学の学生たちに、心からの愛をこめて語っておられたと感じました。上智大学の学生たちに向かって、こう語られました。「何が最善なのかということを意識的に理解したうえで、責任をもって自由に選択するすべを習得せずに卒業する人がいてはなりません」。また、「若者たち自身もその教育の一翼を担い、自分たちのアイデアを提供し、未来のための展望や希望を分かち合うことに注力すべきです」。そして、あるべき大学の姿についても、「社会的にも文化的にも異なると考えられているものをつなぎ合わせる場となることにつねに開かれているべきです」などと語られ、大学の使命の実現へと聴衆を鼓舞しておられました。寛容と対話を貫いた教皇だったと伝えられています。難局にあって、先哲の言葉を思い起こしたい。 2050年には単身世帯の割合が徳島を含む27都道府県で40%を超えるそうです。国立社会保障・人口問題研究所が昨年発表した将来推計によりますと、全世帯に占めるひとり暮らし の割合は全国で44%に。65歳以上の単身世帯は21%になるそうです。社会や地域、個人はどう備えればいいのでしょう。 これからの地域社会のあり方に関して、早稲田大学社会学博士の石田光規氏は、「仕掛けづくり」を推奨されています。すなわち、個人としてすぐできるのは、できるだけどこかの場所 に足を運んで、繋がりをもっておくことで、社会としては、緩やかに網の目を張り、足を運んだ時に人とつながる仕掛けを増やしていくことではないか、と言われます。いわゆる、家族だ けに頼らない新しい社会像を前向きに創る心がけを強調されています。 「虫の目」「鳥の目」「魚の目」の考え方があるように、個人的な課題を対局的に捉え、不安や怒りを個人の感情と終わらせず、社会の構造問題として考える時ではないか。社会全体で共感力を育む。そうした考え方を失わずに法人経営にも取り入れていきたいと考えています。 令和7年6月1日 理事長 山口浩志 |
